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2015_01
07
(Wed)17:03

FF4エジリディSS『あらしのよる』

またもSS更新です。
これもずいぶん昔に書いたものでございます。おととしの11月末に書いたお話。風の強い日が個人的にニガテなので、そこからお話にしてみました。
昨日が荒れたお天気でスンゴイ風が強かったのでこのSSの存在を思い出して載せる事にしました。扉絵だけ今日ざっくり描いてくっつけました。

無印エンディング後から数年くらい、という時間軸のつもり。
幻界からミストに戻って一人暮らしを始めたリディアさんの、ある日の夜更け。嵐の夜の、めっちゃ短いお話です。





なにはともあれ「読んでみてもいーよ」っていうお優しい方は続きからよろしくお願いします。

(そしていっこ前の記事にて『次の記事でコメントお返事します』と書きましたが、SS更新になっちゃったので、また改めて次の記事んときにお返事載せまする。いろいろすみません~)

※さらに!タイトルにFがいっこ抜けてたの御指摘くださった方、ありがとうです!早速直しました~!2015年もスモカはうっかり八兵衛です!(*´︶`*)








風が唸ってる。嵐の夜。吹き付ける風雨で軋み、ガタガタと揺れる家。そればかりが耳に、体に届く。
…大丈夫。嵐はいつか過ぎるもの。
こうやって小さくなって、毛布をかぶって。じいっとして、朝を待てばいいの。
こわくないわ。だってあたしはもう大人なんだから。

───なんだよおまえ、風の音こえーの?

耳の奥に甦ってくる、あなたの声。

違うわ。こわくない。こわくないったら。
もうあたし、ひとりでも大丈夫なんだから。
…でもね、あの旅をしていた頃のあたしは、こんな嵐の音にすらホントはビクビクしてたの。だけどあたしは素直じゃなかったから。怖がってるところなんて誰にも見せまいって。もう子供じゃないんだからって、意地を張ってたんだよね。宿の暗い部屋の中、ひとりで毛布をかぶって縮こまってたの。
そう、今みたいに。こんな風に。







   あらしのよる。
   ***あらしのよる***




それは、あの旅の間の、いつかの嵐の夜更けの記憶。

ベッドの上、毛布にぎゅうっと包まって。打ち付ける激しい雨と風が、窓ガラスをガタガタ大きく揺らす。耳を手の平で押さえても、不気味に唸る風の音は聞こえてしまう程で。あたしはそれがとてもとても苦手で、とてもとてもこわかったの。眠りに落ちることなんて当然出来ないままで、毛布の中、一生懸命にちいさくなっていた。
そんなだったから、あのとき突然響いたノックの音にさえすごくビクッとしたんだよね。
「おーい」って扉の向こうから呼びかけてくる聞き馴染んだ声。窓の外で唸る風の音に怯えたまま、あたしはおっかなびっくり扉まで向かって。そしてそっと開けてみたら、そこにあなたがいたんだよ。

それでね、訊かれたの。「風の音こえーの?」って。そうやってあたしに言ったあの時のあなたは、ちょとニヤニヤしていて。なんだかその顔、少し嬉しそうにさえ見えて。
だからなんとなくあたしはムッとしてしまった。ほとんど反射的に。

「…別にこわくなんかない。だってただの風の音だもん…こわくないよ…」

言い返したあたしのあの時の声は確実に上ずってただろうなって、今なら素直に認められる。でもね、その頃のあたしは意地っ張りで。今よりももう少しだけ幼くて。
…だから可愛くない態度しかとれなかった。あたしを思いやってくれたからこそ、ああやって部屋を訪ねてくれたんだろうあなたに対して、すごくすごく素直じゃない対応しか出来なかったよね。

「おまえなー、頭から毛布引っ被っといてかー?」
「あたしが部屋でどんな格好しようと勝手じゃない」
「そりゃ勝手だけどな…しかしまぁ、おにーさんとしちゃあ心配でよお。おまえの事だから、布団の中でピーピー泣いてたんじゃねーの?お子様にゃ、この嵐はこえーだろうからなぁ」
「…ばっかじゃないの」

心配よりも面白がる雰囲気で言ってくるあなたを、あたしは思いきり睨んでやった。うん、よく覚えてるよ。

…あはは。
嵐が怖かったクセにそれを認められない、とっても意地っ張りなあのときのあたしもあたしだったなぁって、今は思うけどね。
わざわざ『お子様』って呼んで、あたしの気分を逆撫でしたあなたもあなただったなって、今ちょっと思っちゃった。

ねえ、覚えてくれていたんでしょう?風の唸る音が苦手って、いつだっかたかあたしが何となく溢した事を。
だからこそあなたは、あんな夜更けにあたしの様子を見に部屋まで訪ねてくれたんでしょう?
それは本当に心配してくれてたから。
…そうでしょう?

本当は、とても優しいひと。それにね、本当はちゃんと、大人なひと。
それでもあなたはいつもああやって、あたしをからかうみたいな言い方ばかりしてた。
…あれってね、多分照れ隠しだった気がするの。優しさを隠そうとするみたいな、なんだかちょっと不器用な。
今ならそれもわかるの。あたし。
思い出せばいつでもなんでも器用にこなしてた気のするあなたなのにね。

「なんなら朝まで一緒にいてやろっか?」
「結構です!ひとりでぜんっぜん、大丈夫なんでっ!」
「またまたぁ…寝れねぇくせにか?」
「…こんな時間に女の子の部屋に来て『一緒にいてやろっか?』って、エッジってほんっと、最低ね」
「おいおい…女の子っつったってこんなお子様だよ?手ぇ出す筈もねえだろ」
「……っ!!」

ふふんと鼻で笑いながらその長い指をあたしの鼻の前に突きつけて。そんな風に言ったあなたに、あたしがどれだけカッとしたか。
睨みつけた先にはそれでも悪びれた様子もないあなたの顔。わざとらしい大仰なため息を吐いてくる。

「万が一睡眠不足になって、明日の行程に支障出たりしたらマズイだろうしよぉ。だから、眠れるまでそばに居てやろーかって言ってんのになぁ…」
「………キライ」
「…あ?」
「…エッジなんて……だいっ…っきらいっっ!!」

叫んで。それで、思い切り扉を閉めてやった。すぐに鍵もかけて。
ものすごく怒りながら、あたしはベッドに戻ったんだ。

…そう。あんまり怒ったものだったから、あんなに怖かった風の唸る音さえも忘れちゃってた。布団の中に潜って、とにかく腹立たしくて。それに無性に悔しくなって。
それで何だか少し泣いたっけ。あのとき。

…懐かしい思い出。それはあの旅の間の事。そうしてあたしが時折ふと思い返すのって、いつもこんな思い出ばかりで。
あなたがあたしにした、腹の立つ事。ビックリすること。くすぐったい、嬉しい事…どうしてかそんなことばかり。


……ねえエッジ。あのときね、本当はあたし、様子を見に来てくれた事がすごくすごく嬉しかったんだよ。




***



夜は更け行く。

風の唸る声は一向に止まない。びゅうびゅうと、激しく不気味に。叩きつける雨の音は不安な気持ちを嫌でも煽って。

ああ…今夜はずっとこんな感じなのかな。
だとしたらあたし、眠れそうにない。寝台の上、毛布に包まって小さくなって。こうやったまま、いったいもうどれ位の時間が経ったかしら?
きっと結構な夜更けなんだろうなって事しか分からない。

なんて長い夜なんだろう…。

うんと小さい頃のこんな嵐の夜には、お母さんにぎゅっと抱っこしてもらってた記憶があるの。そうして「大丈夫よ」って、何度も繰り返し言ってもらったの。

───…大丈夫。嵐の間はこうしていれば、ちっともこわくないのよ。

お母さんの声。それがどんな音をしてたかさえ、あたしの記憶はもううろ覚えなのに。
けれど確かにそう言ってくれた記憶がある。ぎゅっと抱っこされて。嵐の音が遠くなるように、一緒に毛布に包まって。

…そう。だからね、毛布をかぶっていれば大丈夫。こうしてベッドの上でじっとしてれば。小さくなって、ぎゅっと自分で自分を抱っこしてあげれば。
きっと朝までには嵐も収まるはず。
うん、大丈夫。ちっともこわくないのよ。

ふと、唸る風の中に別の音を聴いた気がした。
びゅうびゅうどうどうと吹きすさぶ風、まるで何かが爆ぜるかの様な音で激しく打ち付ける雨。そんな嵐の中で、別の音なんて聞こえるはずも無いけれど。

聞き間違い…?

耳をそばだててみる。窓や扉が吹き荒れる風雨にガタガタ鳴って。でもさっき聞こえた気がしたのはそんな不規則な音じゃなかった。もっと規則的な。

ほら、また。
コツコツと。それは玄関扉の方から。まるでノックの様な音。激しい嵐の音の中、でも確かに聞こえた気がする。

毛布に包まって縮こまってた私は、思わず身を起こす。
…だってこんな夜更けだもの。しかもこんな激しい嵐のさなか。いったい誰がわざわざ、こんなタイミングでこの家を訪ねたりするっていうの?
そんな事、あるはずがないじゃない。だからノックの音なんて空耳だって思う方が自然で。
嵐の音を聞き間違ったって思うのが、なにより一番自然な話で…

だけどね。あたしは、その可能性しか考えられなくなるの。ただひとつの、ただひとりの。

毛布をかぶったまま思わず玄関扉まで走ってた。鍵を開ける。ノブを掴んで引き開けて。
途端に強い風、激しい雨粒が吹き込んでくる。扉の外には荒れ狂って唸る嵐───そこに、佇む影。真っ暗な夜の嵐の中からやって来たひと。

ねえ。どうして。どうしていま、ここにいるの?あたしがこの嵐をこわがってると思ったから?
…まさかね。

でもね、たとえ偶然でも。この嵐の夜、あなたが今ここにいることが、あたしにはなんだか奇跡みたいでね。
胸の奥に温かな色の火が急に灯ったみたいに感じたの。
少し笑う音がする。

「……あーあ。また毛布かぶってら。なんなら、朝まで一緒にいてやろっか?」

からかう様な言い方。とても聞き馴染んだ、でも少し懐かしくすら思えるその声が、吹き荒れる嵐の中でもあたしの耳にはしっかり届いて。

久しぶりに再会したっていうのに開口一番こんなコト言うなんて、相変わらずなんて、なんて最低なんだろう。
ああ、でもね。あたしね。

「…こんな時間に女の子の家にきて『一緒にいてやろっか?』なんて、エッジって相変らず、ほんとうにほんとうに、最低よね」

思いきり冷たい口調でそう言えば、途端にあなたは眉を顰める。

「……うっわ。またそのパターンかよ…もしやオレ、またしてもこのまま追い返されたりするわけか?この嵐の中をか…?」

──まじかよそれキツイな。
ぶつぶつと言うその声。口当ての上に覗く目許の表情がちょっと本気で困ってる様子を見せてて。だからあたし、思わず吹き出してしまった。
嵐の中、びしょ濡れになってそこにいるあなたに手を伸ばす。懐かしいその手のひらを、あたしは取る。

「もうっ!エッジたら、こんな時間に来るなんてあんまり急だよ!」
「…お、おう」
「それにびしょぬれじゃない!」
「…ハイ」
「早く入って体拭いて。すぐお湯も沸かすから。そんな格好してたら風邪引いちゃうんだからね!」
「あー…ワリぃな」

頬のあたりをちょっと掻いたりしながら、ボソっと言うあなた。
ホントにもう!って呆れた声でわざと言いながら、あたしはあなたの腕を引いて家に招き入れる。被ったままだった毛布を外しながら。
パタンと、扉を閉める。

…そうして嵐は扉の外に置き去りになるの。もう毛布を被って小さくなったりしなくてもいい。大丈夫なんだもの。
だってここにあなたがいる。この嵐の夜を、あたしと一緒にいてくれる。

…だからもう、ちっともこわくないのよ。


< END >



さあ、アトガキという名の恒例のイイワケを…

およそ二年前くらいに書いたお話です。短くて、盛り上がりに欠けて、先の展開の読めるお話でスミマセーン。
じつは風が強いのって苦手なのです。なんだか頭が痛くなるから。気圧の変化がニガテです。
台風とか心底鬱になります。。。
昨日も風がすごかった!台風かってくらいの風量でした。びっくりでした。
そんなわけで嵐の夜のお話のSSを引っ張り出してきました。

基本私の書く文章はどれもこれも繋がりがありません。なので同じエジリディというCPでも、若干設定が違ってたりします。両思い設定のときもあるし、エッジ→リディアの片思い設定のときもあります。リディア→エッジの片思いなんてのも昔は書いてたし。なのでSSによってなんかふたりの距離感が異なってたりとかするわけです。分かりにくくてゴメンナサイね…。

ちなみにこのお話のエッジとリディアは『無印FF4の旅の間、口げんかばっかしてたふたり』という設定です。よって、ゲーム中の旅の間はほぼエッジの片想いだった、というつもりです。エンディング後はそれぞれの(エッジはエブラーナで、リディアは幻界で)の生活をしてたので、全然会ったりとかしてなかったんです。

最近幻界からミストに帰ってきて一人暮らしをする事になったリディアさん。そんな彼女の、ある嵐の夜の出来事なお話です。
そうしてどこかから(どこからだ)『リディアがミストに帰ってきたしいよ』情報を手に入れてノコノコやって来ちゃうわけなんですね、忍びの国の王様が。

…ていうか夜中に来ちゃだめだろうイイ大人が。そしてオマエこの嵐の中をどうやってミストまで来たんだ??
などなどの細かい事は気にしないでください。ひとつよろしくお願いします。

にしてもこんな夜中に押しかけてきてふたりっきりになるなんて、エッジ、貴様リディアに何するつもりだ…(*´︶`*)



ここまでお読みくださった方がもしいらっしゃいましたらどうもありがとうございましたー!





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